金沢古府記念病院 脊椎センターSpine Center
腰や脚の痛み・しびれ、頚部の痛み、手足の動かしにくさは、脊椎(背骨)が原因となっている場合があります。腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・腰椎変性すべり症・頚椎症性脊髄症・頚椎椎間板ヘルニア・脊柱変形など、ほぼすべての脊椎疾患を対象に専門的な診療を行っています。
当センターでは、初診から診断・入院・手術、退院後の定期外来通院まで、脊椎センター長である吉岡医師を中心に、麻酔科医・看護師・リハビリテーションスタッフが一体となって治療にあたります。
当センターは、脊椎手術を専門とする医療機関です。診察と画像検査(MRIなど)で原因を詳しく調べ、患者さん一人ひとりに最適な術式を選択します。できるだけ小さな切開で行う「低侵襲手術」を中心に対応しており、術後の痛みが少なく、手術翌日から歩行を目指せるのが大きな特徴です。
初診では丁寧な問診と画像検査を行い、手術の必要性やリスク、回復期間について十分にご説明します。ご納得いただいた上で治療を進め、手術後は院内のリハビリスタッフと連携して早期回復を支援します。診断・手術からリハビリテーション、社会復帰まで切れ目なくサポートするための施設と体制を整えています。
薬物療法・リハビリテーション・神経ブロック注射などの保存療法については、地域のクリニックや病院と連携しながら対応しています。「保存療法を続けても改善しない」「手術について話を聞いてみたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
次のような症状がある場合は、脊椎の疾患が関係していることがあります。
上記の症状で「痛くて仕事に支障が出る」「友達と旅行に行って歩きたい」「一人暮らしなので動けなくなると困る」など、患者さん一人ひとりの要望に適した低侵襲な治療を一緒に考えます。保存療法を続けても症状が改善しない方、手術による治療を検討されている方は、ぜひ脊椎センター外来にご相談ください。
当センターでは、患者さんの症状・病態に応じて以下の疾患に対応した手術を選択しています。いずれも全身麻酔で行います。
MED
腰椎椎間板ヘルニア
背中を約2cm切り、内視鏡でヘルニアを取り除きます。手術時間は30分〜1時間程度。手術翌日から歩行を開始できる場合が多く、入院は約1週間です。
MEL
腰部脊柱管狭窄症
背中を約2cm切り、内視鏡で神経の通り道を広げます。手術時間は1時間程度。手術翌日から歩行が可能です。
MIS-TLIF
腰椎変性すべり症・腰椎椎間孔狭窄症
背中を左右約4cmずつ切り、神経の圧迫を除去してスクリューで固定します。手術時間は1.5〜2時間程度。
XLIF
腰椎変性すべり症・腰椎変性側弯症
脇腹から椎間板を摘出して金属を設置し、後方からスクリューで固定します。前方・後方それぞれ30分〜1時間程度。
LAP
頚椎症性脊髄症・頚椎後縦靭帯骨化症
首の後ろを約4cm切り、骨を削り開いて脊髄の通り道を広げます。外視鏡を活用した低侵襲手術に対応しています。手術時間は1〜2時間程度。
C-MEL
頚椎症性神経根症
首の後ろを約2cm切り、内視鏡で神経の通り道を広げます。手術時間は1〜2時間程度。
ACDF
頚椎椎間板ヘルニア・頚椎症性脊髄症
首の前側を約3cm切り、椎間板を切除して固定します。手術時間は1〜2時間程度。
BKP
骨粗鬆性椎体骨折(脊椎圧迫骨折)
骨粗鬆症などで潰れた背骨に、医療用の骨セメントを注入して安定させる手術です。
矯正固定術
成人脊柱変形(腰椎変性側弯症)
背骨のバランスを整えてスクリューで固定する大きな手術です。脇腹からの前方固定と後方固定を組み合わせます。日常生活の質の向上を目指します。
01
金沢医療センター整形外科医長を務めた吉岡克人(よしおか かつひと)医師が執刀します。内視鏡手術の豊富な経験を持ち、外視鏡を用いた小切開での低侵襲手術にも積極的に取り組んでいます。低侵襲脊椎固定術(MIST)をいち早く導入し、代表的な術式である「MIS-TLIF」においては、全国から脊椎外科医が技術見学に訪れる実績を持ち、指導・教育にあたっています。また石川県内においてXLIF(腰椎前方後方固定術)の指定指導医として唯一認定されています(※2026年現在)。
02
できるだけ小さな傷で行う低侵襲手術に対応しています。傷が小さいと術後の痛みが軽く、翌日から歩行を開始できる場合もあります。
03
術中3D Cアーム(OEC 3D)とナビゲーションシステムを導入しています。手術中に3D画像を確認できるため、スクリュー(骨ねじ)の位置をその場で確かめられます。
04
吉岡医師を中心に、麻酔科医、看護師、リハビリテーションスタッフが連携し、手術前から退院後の外来まで一貫してサポートします。
05
富山・石川・福井にお住まいの方が、遠方の施設に通わずに最新の脊椎手術を受けられる体制が整っています。
手術の精度と安全性を確認するため、次の機器を導入しています。
術中3D Cアームシステム 石川県内初導入(※2026年現在)
手術中に19cm³の範囲の3D画像を取得できるモバイル型のCアームです。スクリュー(骨ねじ)の位置や角度を手術中に確認できます。2Dと3Dの切り替えに対応し、脊椎固定術をはじめとする手術で使用します。4K解像度のディスプレイで画像を表示し、ナビゲーションシステムと連携します。
AR脊椎ナビゲーションシステム 北陸初導入(※2026年現在)
スイスのMedacta International社が開発した、拡張現実(AR)技術を活用した最先端の脊椎手術ナビゲーションシステムです。従来のナビゲーションシステムと異なり、カメラが小型化され、手術での操作性が向上しています。また、AR(拡張現実)機能があり、スマートグラスを通じて、手術部位の詳細な情報をリアルタイムで確認できます。スクリュー挿入の精度が高まることで合併症のリスクを抑え、術中のX線被ばく量や手術時間の短縮にもつながります。
OEC 3DとNextAR Spineを併用することで、術前の計画と術中のリアルタイムAR確認を組み合わせた高精度な手術を行います。
| 部位 | 主な疾患 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 腰椎 | 腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症 腰椎変性すべり症 腰椎分離症・分離すべり症 |
腰痛、下肢の痛み・しびれ、間欠性跛行(かんけつせいはこう。歩くと痛み、休むと楽になる)、排尿・排便の障害 |
| 頚椎 | 頚椎椎間板ヘルニア 頚椎症性脊髄症 頚椎症性神経根症 |
首・肩・腕のしびれや痛み、手の細かい動作の障害、歩行時のふらつき |
| その他 | 成人脊柱変形 脊椎圧迫骨折 スポーツによる脊椎障害 |
部位に応じた症状。詳細は診察でご確認ください |
写真は後日掲載します
脊椎センター長
吉岡 克人 医師
Katsuhito Yoshioka, M.D., Ph.D.
| 年 | 事項 |
|---|---|
| 2004 | 第103回中部日本整形外科災害外科学会 学会奨励賞 |
| 2008 | 金沢大学学長賞 |
| 2010 | 日本リウマチ財団海外派遣研修医 |
| 2012 | 日本脊椎脊髄病学会クリニカルフェロー(和歌山医科大学) |
| 2013 | 第120回中部日本整形外科災害外科学会 学会奨励賞 |
| 2014 | 第9回日本脊椎脊髄病学会 Asia Traveling Fellow |
| 2016 | 日本脊椎脊髄病学会クリニカルフェロー(徳島大学) |
| 2016 | AOSpine Traveling Fellow(チェコ・Motol大学病院) |
| 2022 | 第13回中部MIST研究会 優秀演題賞 |
| 2024 | 第78回国立病院総合医学会 ポスター賞 |
| 2024–2025 | The Best Doctors in Japan |
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